2018年12月20日(木)放送の『奇跡体験!アンビリーバボー』で、今から51年前の1967年、上野動物園内で象が柵を越えパニックに!周りには見物客もいる中、興奮状態の象!飼育員がとった方法とは!という過去上野動物園であった事件についてが放送されます。
飼育員はいったいどんな行動をとって象を制止したのか、リサーチしたら涙が止まりませんでした…。
上野動物園の象のインディラの脱走事件とは?
1967年3月14日、東京の上野動物園でゾウが脱走する事件が起きました。
脱走したゾウは、1949年にインドのネルー首相からの贈り物として上野動物園にやってきたアジアゾウの「インディラ」。
「インディラ」という名前はネルー首相の娘の名前から取って命名されたそう。
インディラの飼育担当は、ベテラン飼育員の落合正吾さんという方でした。
上野動物園が公式Twitterに投稿したものがこちらです。
昭和42(1967)年の今日、アジアゾウのインディラが同居していたジャンボとケンカをして、運動場から堀に突き落とされてしまいました。インディラは手すりに鼻を巻き付けて体を引き上げ、なんと入園者側の観覧通路に出てしまったのです。
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) 2017年3月14日
園内はただちに緊急体制がしかれましたが、インディラはゾウ舎に戻ってくれません。やがてマスコミのヘリコプターが低空で旋回をはじめ、インディラはその音で興奮してきました。ゾウが暴走したら大変な事故になってしまいます。飼育係のだれかが言いました。「そうだ、落合さんだ!」
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) 2017年3月14日
落合正吾さんはゾウ飼育班長でベテラン飼育係でしたが、病気で休職中でした。アドバイスを聞こうと飼育係員が自宅に行くと、「よし、すぐ行く!」と落合さんは寝間着のまま、とめる声も聞かずに動物園に向かいます。
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) 2017年3月14日
落合さんはその時、病気で頬がこけ、顔色も悪く、体重は36kgにまで落ちていたそうです。
それにもかかわらず、駆けつけて来た飼育係員の話を聞きすぐに長年愛用していた調教棒を持って、インディラのもとに向かいました。
ゾウ舎に着いた落合さんは、病人とは思えない声で「インディラ、ダメじゃないか。戻るんだ。」と一喝。とたんにインディラの興奮がおさまって目がおだやかになりました。「よし、良い子だ。さあ、帰るぞ。」落合さん到着がら10分もしないうちに、インディラは無事に収容されたのです。 pic.twitter.com/YLbqvIsPs8
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) 2017年3月14日
落合さんはインディラの担当飼育員で、インディラを家族のように愛し、接していました。
象のインディラにもその愛情はよーく伝わっていたんでしょうね^^
二人の間には厚い信頼関係があったのです。
実は落合さんは重度の胃ガンで、8日後の3月22日に54歳で亡くなりました。混濁する意識のなかで、いとおしそうに「インディラのやつ…」とつぶやいていたそうです。
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) 2017年3月14日
末期の胃癌と闘病中で、事件の8日後に亡くなったという落合さん。
インディラと一緒に映っている落合さん、とてもやせ細っているように見えます。
きっと飼育員としてバリバリ働いていた時よりも、外見はだいぶ変わってしまっていた事でしょう。
それでもインディラには落合さんだという事は分かり、落ち着きを取り戻したのです。
落合さんも、きっと最後に大好きなインディラにあえて嬉しかったことでしょう。
なんて感動的なエピソード…。
動物と人間との絆、思わず涙ぐんでしまいました。
上野動物園の象のインディラのその後は?
インディラはその後1983年に亡くなって、落合さんのもとへ旅立ったそうです。
年齢は49歳だったそうです。
今頃天国で2人は仲良く一緒に暮らしている事でしょう^^
そしてこれは余談ですが、その後、象を送ってくれたネルー首相が死去した後、娘のインディラさんは政界へ進み、1966年にはインド首相になったそうです。


